なぜ老老介護が増えているのでしょうか?
老老介護が増加した原因は高齢化が進んでいることが挙げられますが「健康寿命と平均寿命に差があること」「核家族化が進んだこと」の2点が大きな要因です。
それぞれの原因について、詳しく解説していきます。
健康寿命と平均寿命に差がある
老老介護が増加した原因の1つ目は「健康寿命と平均寿命に差があること」です。
厚生労働省の発表によると、2016年時点での平均寿命・健康寿命は以下のようになっています。
【平均寿命】
男性:80.98歳 女性:87.14歳
【健康寿命】
男性:72.14歳 女性:74.79歳
【平均寿命と健康寿命の差】
男性:8.84歳 女性:12.35歳
出典:厚生労働省『令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-(本文)』
平均寿命と健康寿命の差は、男性8.84歳、女性12.35歳と開きがありますが、開きがある期間は介護を要する可能性が高いでしょう。
医療の発達や食文化の変化により、平均寿命は年々延びています。平均寿命が高いということは医療の進歩と衛生的な生活環境が形成されていると判断、高齢化が進んでいるのは良いことかもしれません。しかし、平均寿命と健康寿命の差を縮められない限り、老老介護の増加傾向は続くでしょう。
核家族化が進んだ
老老介護が増加した原因の2つ目は「核家族化が進んだこと」です。
昭和、サザエさんの家庭のように三世代で同じ屋根の下で暮らすことも多い時代でしたが現在のライフスタイルは、小さな家族構成が多くなっています。厚生労働省によると、核家族とは「夫婦とその結婚していない子どもだけの世帯、夫婦のみの世帯や父親または母親とその結婚していない子どもだけの世帯のこと」と明示されています。
引用:厚生労働省『いっしょに検証!公的年金 用語集』
親と子どもが離れて暮らす「核家族化」が多くなると、当然のことながら面倒をみる「子供」がいないわけですから高齢者夫婦のみで介護をすることになり、老老介護へとつながってしまうのです。