グループホーム並みのきめ細やかなケア。
ここは有料老人ホームではない！？

グループホームやデイサービスで経験を積んだスタッフが多く所属し、皆それぞれ持っている力を最大限生かしているように思います。介護は誰でもできる仕事ではない、そういう自負も、もちろんあります。かしこまらず、友達にならずのバランスが難しいですね。ご利用者はお客さまですが、人と人とが接するのだから、仕事で無くなってしまう時もある。より深く分かり合ってしまうとなおさらです。ご利用者を大切に想ってしまうんでしょうかね。

ここはとてもアットホームです。ご利用者と接する時間が長いから、私たちの休憩中でもご利用者の話がつきません。小さな家族みたいな感じでしょうか。

たった2年の間に認知症が進んでしまったKさんの話。入居時は歩ける位元気があったのに、いつの間にか意思疎通が難しくなってしまう位進行してしまった。入院がきっかけかもしれないのですが、何にも興味を持たなくなってしまったのです。相撲や野球が大好きだったのに、自分で食事もとれていたのに…。夏、季節を感じて欲しいと思い、花火大会を実施したんです。なんと、Kさんが興味を示してくれたのです。それは小さな気づきでした。手持ちの花火をお渡しすると、持ってくれた、手を伸ばして頂けたんです。小さな訴えを見逃さなかったから「花火をしたいんだ」という想いを感じ取れた。気持ちに気づけた。顔、表情で読み取るのは難しいけれど、きっと喜んでもらえたんだと思います。

もっと笑顔が増えたらいい。
ココロのケアも私がする。

杖をつきながらも歩けていた、あるご利用者。熱発後、入院となってしまいました。退院しアンサンブルに戻ってきた時に、車いすとなってしまったのです。ご家族さまからも前のように歩けるようになるといいのだけど、とお話をいただきました。「ちょっと歩きませんか？」という問いかけに訓練をはじめられ、最初はふらつきながらもゆっくりとですが、自立歩行ができるようになっていったんです。ご本人のやる気もきっかけかと思いますが、丁寧なお声がけが良かったのかとも思います。

リハビリは人によってメニューが違いますし、必ず「こうしてほしい」というオーダーがあるわけではありません。どのようなメニューが必要なのかを考え実践し「ご自身の機能」を維持する。今は10人のご利用者を看ています。無理をさせるわけではなくて、その人にあったものをおすすめしています。一人ひとりと対面し、会話ができるのがうれしい。困っている事がキャッチできてうれしい。最後にありがとうと言ってくれるのがうれしい。1人でも笑顔がふえたらいい。ココロのケアだって私がします。

喜んでくれる顔が見たいから。
その一心でつくる「食事」

ラウンド（みなさまがお食事をされているスペース）に出て、出来る限りご利用者とコミュニケーションをとります。今日はおいしい顔をしているかな、がとても気になるから。

愛知県豊田市は三河地方甘辛の食事。赤みそは文化だからトンカツだったら味噌をかけてみたり。田舎料理は喜ばれますね。他の地域から来られた方も、美味しいって言ってくれます。

採れたての美味しい物を食べてもらいたいから、トマトやキュウリ、なすなどを自家栽培で育ててみたり。今年はなんとお米にもチャレンジしました。菜園はご利用者にも手伝ってもらっています。季節を、旬を感じてもらいたいから。秋が楽しみですね。

下膳の時、食事後にリビングでゆっくりされている方から、よく話しかけていただきます。食事の事から昔話になって、ついつい長話になってしまいますけど。今日も明日も美味しいものを。喜んでくれる顔が見たい、その一心で食事を作っているように思うのです。